志士庫栗・栗の選別

収穫間際の志士庫栗

なかなか収穫量が上がらなかった栗の収穫も夜の冷え込みが増してくると共に徐々に増えてきました。上の画像は収穫してきたばかりで選別前の画像です。虫食いが多いんですよね、今年は特にそうかもしれません。だいたい拾った量が10kgだとすると、3割〜4割は虫食いです。

虫食い栗

こんな感じで栗にワームホールができています。こうした栗は大抵中に白くて小さな虫が中にいますので廃棄です。実は虫が入っている栗の方が甘くて美味しいんですが、人にあげるわけにもいかず、自分の家では食べ切れないほど訳あり栗が増えるので処理仕切れず廃棄処分というわけです。

お尻の白い栗

いっぽうこちらの栗は一見普通の栗に見えるかもしれませんが、お尻が白くて売り物にはなりません。こうした栗も選別で取り除きます。

割れ栗

こちらは割れ栗と言われ、実がしっかり詰まっっているので味は良いのですが、破れているためやはり売り物にはなりません。訳ありとして出品するか、自宅用です。手間を惜しまなければ皮を剥いて「剥き栗」として販売することは可能ですが、売る量を皮剥きするのは本当に大変で、やられている近所の農家さんを尊敬します。

その他、色合いの悪いものや傷が入ったもの、黒ずんだ箇所のあるもの、形の悪いもの、実の入りが悪いものなどどんどん選別で弾いていきます。そしてあとはサイズ別に分けて市場に出荷するわけですが、選別の結局市場に出せるのは収穫量の2割〜3割ですね。

栗のサイズを時々質問されますので記載しておきます。
 Mサイズ 〜32mm 重さ10g以上
 Lサイズ 〜35mm 重さ15g以上
 2Lサイズ 〜39mm 重さ20g以上
 3Lサイズ 〜44mm 重さ35g以上
 4Lサイズ 45mm以上 重さ40g以上
 この4Lサイズの志士庫栗が「サンマロン」となります。かなり大きいですよ。

私が幼少の頃に植えられた栗

 桃栗三年柿八年と言われますが、30年以上もたった栗の木には、大きくて甘い栗の実がたわわに実ります。しかも、10年間以上も放置されていたこの栗畑は、完全に科学的な物質が抜け切り、自然界の力だけで実をつけてくれます。

 正直、畑の見た目はよくないですね、文字どおり草茫々だったため、ツタが栗の木に絡みつき、ツタの根を切った残骸が今もぶら下がったままです。そして、樹齢30年以上という栗では老木にあたる事もあり、あちこちで枝が折れてしまっています。

 今後、この栗畑は、草刈りはなるべくせずに、折れた枝や邪魔な雑木を取り除く程度で、なるべく手を加えずに、栗の木が元気になる様に手助けするだけの自然農法でやっていこうと考えています。

 わがまま果菜園のある、ここは志士庫地区と言われ、かつては栗の生産量日本一を誇った地域で、今でも志士庫栗は高い評価を受けています。その理由は、大きさと甘さ。4Lサイズになると大きさは45mm以上、重さは40g以上とかなり大きく、「サンマロン」としてブランド化されています。

 通常の栗は、一つのイガの中に上の写真の様に3つ実が入っていますが、サンマロンとなる4Lサイズの栗は、下の写真の様にイガ一つの中に1つしか実が大きくなりません。栄養が一粒の実に集中することで大きく甘くなる訳です。これが志士庫栗が誇るサンマロンになれる栗です。でも、すべての栗の木でこの様な大きな栗ができるわけではなく、サンマロンとして世に出せる最高品質の栗の収穫量は正直少ないのが現実です。だからサンマロンは値段が高くなってしまいます。それでも、一度、志士庫のサンマロンを食された方は「もう他の栗は食べれない」と満面の笑顔で喜んでいただけます。そのためだけに栗を栽培しているのかもしれませんね。

志士庫栗「サンマロン」